猫の健康と食事

キャットフードの給餌量とは?計算方法と注意点などを徹底解析!

キャットフードの給餌量とは?
獣医の私
獣医の私

こんにちは!「キャットフードと私」編集部のミナミです!

今回は、愛猫に与える1日の給餌量について、考えてみようと思います!

猫には、子猫・成猫・老猫・去勢後・妊娠中・ダイエット中など、生活環境が違いますよね・・・。なので、与えているキャットフードの目安給餌量でいいのか・・・?って考えてしまう事もあると思います!

そこで、猫の生活環境を基に、適正な1日の給餌量を計算する方法や、その場合の注意点なども徹底解剖してみました。誤った量を与えていると、猫の健康(肥満や体型維持など)の為にならないこともあるので目安量を計算してあげましょう!

それではまいりましょう!!愛猫に与えるキャットフードの正しい給餌量や計算方法についてお教えしていますので、参考にしてみてくださいね♪

キャットフードの給餌量を計算した方が良い理由とは?

キャットフードには目安量や、1日の給餌量を公式サイトでしっかりと記載してくれているメーカーもありますよね。しかし、猫の年齢や体調変化によって、与える量を変更して体型を維持してあげることも必要ですね!

例えば、肥満になってきた猫に、目安の給餌量をそのままの量を与え続けると・・・間違いなく太り続けてしまいます。なので、猫の体型や年齢を考慮した上で、給餌量を計算してあげて、適度なボディーバランスを維持してあげる方が健康的にも良いです。

これからお教えする「1日の給餌量」の計算方法も、あくまでも目安となりますので、健康状態に不安のある人は、動物病院で相談してあげることも大切です。

キャットフードの「1日の給餌量」の計算方法とは?

次は、一般的(成猫)なキャットフードの「1日の給餌量」の計算方法をお教えします。

一般的な給餌量の計算方法は、「猫の体重kg×80kcal」です。例えば、3kgの猫なら、3×80=240gとなります。1日2回与えているなら、120g×2回が1日に与える量ということですね!

ただ、猫のライフステージによっても計算が様々になりますので注意してくださいね!

  • 子猫の体重(kg)×200kcal=1日の給餌量(g)
  • 成猫の体重(kg)×80kcal=1日の給餌量(g)
  • 老猫の体重(kg)×60kcal=1日の給餌量(g)
  • 肥満気味の猫の体重(kg)×70kcal=1日の給餌量(g)

しかし!これはあくまでも一般的な給餌量の計算なので、すこし大雑把な量となります。そして、子猫の場合は生後6か月ぐらいで成猫体重(3kgほど※猫種によって違う)になると、体重×80kcalの量に少しずつ調整してあげましょう!

キャットフードには、動物性タンパク質が豊富な物から、低脂肪(低カロリー)のものまで様々な種類が販売されています。なので、上記の計算と同じ量を与えていると「肥満体質」や「痩せすぎ」など、様々な問題が出てくると思います。

そこで、下記からは、さらに詳しい計算方法をお教えしていますので、是非参考にしてみてください。

キャットフードの与える量は猫の状態によって違う!

それでは、基本的な給餌量については、理解してもらったと思いますが、猫の状態によって与える給餌量を計算することができるので詳しく紹介していきますね!

1、まず、キャットフードの量はRERを計算しましょう!

まず、初めにRERを計算する必要があります。RERとは、猫が1日に必要なエネルギー量(kcal)のことです。RERは、安静時(心拍数が1分間に100~160拍)に必要なエネルギー量を計算しないといけません。

計算方法は簡単で、「30×猫の体重(kg)+70=RER」という式がありますので、単純に猫の体重を当てはめると、1日に必要なエネルギー量(RER)を求めることができます。

例えば、3kgの猫の場合は・・・

30×3+70=160kcalのエネルギー量が必要

ここで、注意してほしいことは、1日のエネルギー量を計算しただけなので、与える量(g)ではありません。下記からは、さらに、猫の状態やライフステージによる必要なエネルギー量を計算する方法をお教えしています。

2、では、キャットフードは体調によって計算が変わる!?

猫の状態 係数
子猫(2~12か月) 2.5
去勢避妊をしていない1歳以上 1.4
去勢避妊をした1歳以上 1.2
老猫 1.1~1.6
活発な猫 1.6
ダイエット中の猫 0.8
肥満傾向の猫 1.0
痩せ気味の猫 1.2~1.4
妊娠中の猫 1.6~2.0
子猫を生んだ母乳が出ている猫 2.0~6.0
集中治療中の絶対安静な猫 1.0

猫の安静時に必要なエネルギー量を計算してきましたが、さらに「去勢避妊している猫」「太り気味でダイエットが必要な猫」「痩せすぎで増量が必要な猫」など、体調や状態によって計算することができます。

上記の表に、それぞれ猫の状態によって違う数字がありますが、この数字(係数)を使って、より詳しく1日のエネルギー量を計算しましょう!

計算方法は、

安静時のエネルギー量(kcal)×係数=猫の状態に必要なエネルギー量

が、猫の状態や体調変化などによるエネルギー量(kcal)を計算することができます。例えば、去勢避妊済みの3kg成猫の場合で計算してみましょう。

  • まず安静時のエネルギー量を計算(30×3kg+70=160kcal)
  • 160kcal×1.2=192kcalが去勢避妊済みの成猫に必要な1日のエネルギー量となります。

3、1日に必要なエネルギー量から給餌量を計算する!

次は、猫に必要なエネルギー量を計算してきましたが、実際に与える量についてお教えしますね!

1日に与える給餌量は、与えているキャットフードによって違うのですが、計算方法には、フードの100gあたりのカロリー量が必要になります。まず、与えているパッケージの裏面か、メーカーサイトの詳細ページに、100g当たりのカロリーが記載されていますので確認しておきましょう。

それでは、与える量(g)を計算方法は・・・

猫の状態に必要なエネルギー量(kcal)÷100gのカロリー量(kcal)×100g

上記で求めて出た数値が1日に与える量(g)となります。猫の状態に必要なエネルギー量は2番目に説明した内容になります。

では、おさらいに「去勢避妊をしていない成猫の体重が3kgの場合(係数1.4)」で「人気のモグニャン(100gあたり374kcal)」を計算してみましょう!

  1. 30×3+70=160kcal(安静時のエネルギー量)
  2. 160kcal×1.4=224kcal(状態別のエネルギー量)
  3. 224kcal÷374kcal×100g=59.8(1日の給餌量)

3kgの去勢避妊していない成猫に必要な1日の給餌量は、約60gということがわかりました!

キャットフードの目安量は嘘なの?

より詳しい1日の給餌量についてお話してきましたが、キャットフードに記載されている量は嘘だったの・・・?と思われがちなのですが、そういう訳ではありません。

キャットフードに記載されている給餌量(給与量)は、猫が健康で理想的な数値を平均値として計算してくれています。なので、肥満体質の猫がその量を与えていると、太っていったりすることがあるので注意してあげましょう。

キャットフードに記載されている給餌量は、あくまでも目安量であることを理解しておくことと、愛猫のボディーバランスをチェックしながら調整することも大切になります。

まとめ

ここまで、猫に与える量についてお話してきましたが、いかがでしたか・・・?

猫の特質によっても、太りやすい子や、活発な猫もいるので、1日に必要なエネルギー量を計算するって大切なことですね!

しっかりと愛猫の状態をチェックしてあげて、より適正体重になるように、飼い主さんも調整してあげましょう!